食事とは、生命維持に必要な栄養素を摂取するために、日々何かを食べることになります。
私たちの体は100%食べたものからできています。
もう少し細かくお伝えすると、食べたものを消化し”腸”で吸収した栄養から構成されています。
消化管は、口腔→食道→胃→小腸(十二指腸・空腸・回腸)→大腸(盲腸・結腸・直腸)→肛門に分けられ、大きな役割は身体に必要な栄養分を吸収することになります。
身体はおおよそ水分60%・タンパク質17%・脂質15%・ミネラル5%・糖質1%で構成されており、水、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの栄養素が必要となります。
身体を構成している栄養素が一つでも不足してしまうと身体は不調になります。
まず、身体を構成している主成分となるのは「水分」であり、最も重要な成分です。
水分が不足してしまうと血液の流れがドロドロになります。
血液は体の隅々まで栄養、ホルモン、酵素などを運ぶと同時に、老廃物などを運び出し体の外に排泄する働きをしているため、血液がドロドロだと隅々まで栄養素を運びづらい状態になってしまいます。
次に多い成分は「タンパク質」ですが、
タンパク質は、筋肉・臓器・血液・体内の調整を行うホルモン等の材料として使用され、
主にアミノ酸によって構成されています。
タンパク質の使用される順番としては、「血液→内臓→細胞→骨→ホルモン→筋肉→髪、爪、肌」の順となりますが、全身にくまなく供給され使用するためには、最低でも体重1キロにつき1グラムの摂取が好ましく、体の症状を改善したい方や、ダイエットしたい方は、1キロにつき1.5から2倍のタンパク質の摂取が必要となります。
体重50キロの人だと最低でも1日50gの摂取がないとタンパク質が不足し、筋肉内でのタンパク質代謝が低くなってしまうため、ぎっくり腰や肉離れなどの症状が治りづらくなってしまうだけではなく、朝から体がだるい、疲れが取れにくい、筋肉痛が長引く、風邪を引きやすい、肌が荒れやすくなる、爪が割れやすい、髪の毛がパサつく等の症状が起こりやすくなります。
「脂質」もバランスを守りしっかりと摂取すべき栄養素といえます。
脂質は1グラムあたり9キロカロリーで、体内の代謝を行う主なエネルギー源となります。
摂取する食物の量が糖質やタンパク質より少なくてすむので、
胃への負担が軽くすむという利点もありますが、
貯蔵効率が高いエネルギー源のため、使われない分は皮下やお腹周りに蓄積されます。
また、揚げ物などの酸化した油を摂ると、コレステロールが血管につきやすくなり、血管障害の可能性が高まります。過酸化脂質・トランス脂肪酸、糖質を控えると、血管の炎症が抑えられ、痛みの発生や動脈硬化の予防が期待できます。
身体に必要な必須脂肪酸に関しては、体内で作られず不足しがちなため、意識的に摂取する必要があります。特にオメガ3は不足する可能性が高いので、サプリメント等で補うことも推奨されております。
次に、「ミネラル」や「ビタミン」に目を向けてみると、
人の身体に必要だと言われる「ミネラル」は、
鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウムを含む16種類です。
特に不足しがちなカリウム、カルシウム、鉄、亜鉛が不足してしまうと、
食欲不振、骨粗しょう症、貧血、味覚障害などが発生しやすくなります。
また、ほとんどの女性は”鉄不足”といわれており、
身体の貯蓄鉄と呼ばれる”フェリチン”の値をあげることが、不調解消の近道となります。
「ビタミン」と聞くと意識して摂取している方も多いかもしれません。
ビタミンには、A、B、C、D、E、Kなど、数多くの種類がありますが、
不足しがちなビタミンB群について着目すると、
ビタミンB群の重要な役割は、酵素の補酵素になることです。
酵素は食品の脂質・糖質・タンパク質を消化して代謝に変える働きがあり、
酵素タンパク質に結合して酵素の働きを助けています。
ビタミンが不足してしまうと、食べものをしっかり消化できず
便秘や下痢の原因になってしまったり、神経痛や疲れやすいなど
身体の様々な不調につながっていきます。
ミネラルやビタミンは、様々な生理機能の維持に働いたり、エネルギー体組織を作るための代謝に関わっています。身体の中では合成されないものも多く、食事からの摂取が必要になります。
現代人は常にミネラルやビタミン不足といっても過言ではなく、その背景には、昔から比べて食物の栄養素が低くなっていることや、食事バランスの乱れが強く影響しています。
このように、「食事」と「体の症状」は非常に密接な関係があり、
炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、どれが不足しても”健康”に大きく関与します。
バランスの良い食事はもちろん、栄養を吸収しやすい体になるように、体の内面から健康に対してアプローチすることが大切です。